当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。管理人のザッキーです。
中小企業の製造現場や、いわゆる第二次産業の最前線でチームを率いていると、ある共通の「特大の悩み」にぶつかるリーダーが非常に多いです。
それは、「人によって、作業の理解度や習得スピードに、周囲と比べて言葉にできないほどの大きな『凸凹(デコボコ)』や差がある」という現実です。
一般的なマニュアルを渡し、手取り足取り教えても、どうしても話が伝わらない。
サボっているわけではないのに、なぜか指示通りに動けない。
派遣社員の受け入れも含め、こうした「マニュアルが全く通用しないメンバー」と実際に現場で向き合ったとき、どう接し、どう扱えばいいのか、私は何年もの間、本当に凄まじく頭を悩ませてきました。
この記事では、綺麗事のビジネス書をバッサリ切り捨て、現場のリーダーとして悩み抜いた私がたどり着いた、「理解の凸凹が大きいメンバー」を活かすためのリアルな向き合い方のロジックをシェアします。
1. 「なぜ伝わらない?」怒りや諦めの前に、リーダーが知るべき特性のリアル
現場で「何度言っても伝わらない人」に直面したとき、多くのリーダーは「やる気がないのか」「真面目に聞いていないのか」と、本人の根性や態度を責めてしまいがちです。
かつての若かった頃の私も、自分の基準を押し付けて本気で苛立っていました。
しかし、たくさんの失敗を経て私が気づいたのは、彼らはサボっているのではなく、「脳に届く情報のキャパシティや、物事を整理する仕組みが、普通の人とは根本的に少し違う(凸凹がある)」というリアルな現実でした。
世間ではあまり公に語られませんが、知的障害の基準には入らなくても、平均値との間の領域で「どうしても複雑な認知や応用が苦手」という特性を持った人は、現代の社会、特に私たちのいる現場には一定数、確実に存在しています。
ここに気づかないまま、普通の人と同じように「これやっといて」と抽象的な指示を出したり、「なんでできないんだ!」と怒鳴り散らしたりするのは、ロジックとして完全に間違っています。
できないことを責めても、相手を追い詰めて現場を潰す(辞めさせてしまう)だけです。
大切なのは、相手に無理な成長を求めるのではなく、「その特性を持ったままでも、安全に確実に成果を出せる環境(仕組み)をこちらが用意すること」です。
2. 「一気に3つはNG」曖昧さと混乱を排除する指示の出し方
では、具体的に現場でどう対応したらいいのか。
私がたどり着いた解決策は、「すべての指示から、曖昧さと複数のタスクを100%排除する」という徹底的な仕組み化です。
よくある現場の失敗として、指示を出す側が「あれして、これして、そのあとにああしといてな」と、一気に3つも4つも指示を出してしまうパターンがあります。
普通の人なら順序立てて処理できますが、理解力に凸凹がある人の場合、これをやられると高確率でキャパオーバーを起こし、指示をすべて忘れてしまいます。
その結果、何をしていいか分からなくなり、現場でポツンと「仕事をサボっている(フリーズしている)」ような状態になってしまうのです。
彼らを迷わせず、戦力として活かすためには、作業をすべて細かくぶつ切りにして渡してあげるしかありません。
「まず、この作業を1個やって。それができたら次の指示を聞きに来て」
あるいは、やるべきステップを紙に書いて物理的に渡す。
指示を出す側からすれば、ぶっちゃけ「こんな細かい指示、何回も何回も出せるかよ!」と思うのが普通です。面倒くさいですし、手間もかかります。
しかし、指示を出す側がその手間を惜しんで「指示出しをサボる」と、高確率で現場のメンバーが仕事をサボる(動けなくなる)原因になり、最終的に大きな事故やトラブルに繋がります。
一歩引いたマネージャーの視点に立ち、本人のキャパシティの範囲内で動けるように「1個ずつ確実にクリアさせる仕組み」にはめ込んであげる。
このひと手間をサボらないことこそが、結果的に現場を最もスムーズに回す生存戦略になります。
3. 多様なメンバーを受け入れる「組織の冷徹な損得勘定」
人を選別して、仕事ができる優秀な人間だけで現場を固められれば、それが一番ラクかもしれません。
しかし、中小企業や派遣社員の受け入れが多い現場において、そんな理想通りの人材ばかりが集まることは絶対にありません。
これが、私たちが直面している現実です。
だからこそ、リーダーに必要なのは、できない人を排除する感情論ではなく、「どんな特性を持ったメンバーであっても、その人の得意なことに特化させて、チーム全体のパフォーマンスを最大化させる」という冷徹な組織の損得勘定です。
◆ 理解の凸凹を活かすマネジメントのロジック
| 直面する課題 | 陥りがちな間違った対応(NG) | チームを生かす生存戦略(OK) |
|---|---|---|
| 指示が伝わらない | 「やる気がない」と本人の態度を責めたり、一気に3つも4つも指示を出して混乱させる。 | 相手の認知のキャパを理解する。指示を紙に書いて渡すか、1個ずつの小出しにする。 |
| 業務中のフリーズ | 「何回も指示を出すのは面倒だ」と上司側がサボり、本人が現場で立ち尽くす原因を作る。 | 手間を惜しまず、「1個できたら次の指示を聞きに来て」と伝える仕組みを作る。 |
| チームの安全 | 大雑把な指示のまま作業をさせてしまい、高確率で現場の事故やトラブルを招く。 | 本人のキャパに合わせた単純作業を1個ずつ確実にクリアさせ、自分が不在でも事故が起きないパズルを完成させる。 |
まとめ:違いを受け入れ、仕組みで勝つのが本物のリーダー
世間の「もっと効率よく一気に指示をこなせ」という理想論や、優秀な人間だけを集めたがる一般論に流される必要はありません。
目の前にいるメンバーの凸凹(デコボコ)を冷徹に見つめ、上司側の「何度も言う面倒くささ」をグッと堪えて、1個ずつ聞きに来させる仕組みを作る。
その地道なコントロールこそが、現場の事故を防ぎ、リーダーとしての本当の信頼を育ててくれます。
完璧な人間なんていません。だからこそ、仕組みで勝つのです。
これからも、私が18年の現場経験のなかで培ってきた、綺麗事抜きのビジネス・マインドを発信していきます。
「部下が指示通りに動いてくれず、現場が事故ばかりで悩んでいる」というリーダーの方がいれば、お気軽にお問い合わせページよりメッセージをお寄せください。
かつて多くの失敗をしてきた私だからこそ、あなたの深い悩みに寄り添い、一緒に仕組みのパズルを解くヒントを渡せるはずです。


コメント